附属図書館は2013年に、SPレコード研究家クリストファ・N・野澤氏が所蔵していた2万枚を超すSPレコードと蓄音機の寄贈を受け、2015年からそれらを活用したコンサートを(新型コロナウィルスの流行期を除き)毎年開催しています。
図書館所蔵品を使用した学内でのコンサートではありますが、解説者を学外の方にお願いする場合の謝礼や、プログラムやチラシの製作費、運営スタッフの人件費などを図書館運営費から捻出するのは大変厳しいため、藝大フレンズに助成をお願いし、今年も無事に2回のコンサートを開催することができました。
■「第4回 蓄音機で聴くレオニード・クロイツァー」
日 時:2024年10月20日(日)11:00-12:30
会 場:音楽学部 第6ホール(音楽学部構内)
解 説:植田克己(ピアニスト・東京藝術大学名誉教授・クロイツァー記念会会長)
主 催:東京藝術大学附属図書館・クロイツァー記念会
10月20日のコンサートは、ピアニストのレオニード・クロイツァーの特集です。
本学の前身である東京音楽学校で教鞭を執ったクロイツァーは、日本のピアノ界に多大な貢献をした優れたピアニストで、本学にも孫弟子、ひ孫弟子にあたる教員や学生がおり、解説の植田克己名誉教授もその一人です。そのクロイツァーの功績を称えた蓄音機コンサートには、熱心な音楽ファン87名が集まり、クロイツァーの息吹を感じ取ろうとしていました。
■「すばらしき蓄音機の世界〜マック杉崎氏と愉しむ」
日 時:2025年3月23日(日)13:00-15:30
会 場:東京藝術大学第6ホール(音楽学部構内)
解 説:マック杉崎(蓄音機研究家)
主 催:東京藝術大学附属図書館
3月23日のコンサートは蓄音機そのものに焦点を当てました。
これまでに開催したコンサートでは、演奏家や特定の楽器に焦点を当てることが多かったのですが、当館が所蔵している蓄音機9台のメンテナンスをお願いしている蓄音機研究者のマック杉崎氏を解説に迎え、会場の第6ホールに7台の蓄音機をずらりと並べました。各蓄音機の構造や特徴の解説を聞きながら、その蓄音機の特性に合う名演奏を聴くというコンサートに、集まった113名の観客の皆さんは大変熱心に耳を傾けており、あっという間の2時間が終了しました。 第4回 蓄音機で聴くレオニード・クロイツァー
すばらしき蓄音機の世界〜マック杉崎氏と愉しむ