この度、藝大フレンズの皆様のご支援のもと「黄土水とその時代―台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」を2024年9月6日(金)から10月20日(日)まで開催いたしました。
本展は台湾出身者として初めて東京美術学校に入学した彫刻家・黄土水をメインにした展覧会です。彼は在学中も卒業後も厳しい自己研鑽に努め、帝国美術院展覧会にも複数回の入選を果たすなど彫刻家として大成した、本学の大先輩というべき存在でした。
会場では国立台湾美術館をはじめとする台湾の所蔵者様方から《甘露水》を含む黄土水の代表作をお借りして展示するとともに、藝大コレクションからも同時代の絵画や彫刻の作品を出品、20世紀初頭の東京で展開された芸術の雰囲気を伝えることに努めました。
この展覧会は開催前から多くの注目を集め、台湾文化部長の会場訪問や台湾マスコミの熱心な報道など、国際展らしい華やかな一幕もありました。展覧会の開催を通じて国立台湾美術館との協働も実践され、本学らしいグローバルな文化交流の一端を担う活動となったことも意義深いものと存じます。
今回ご助成いただきました賛助金は、本展リーフレット作成費に充てさせていただきました。代表作の図版と日台両国の担当者の論文を日台バイリンガルで掲載して500円のワンコイン価格で頒布することにより、知られざる台湾美術について知ることのできる図録として観覧者の関心を集め、順調な売れ行きを示しました。
藝大フレンズの皆様よりご助成いただきました賛助金により、展覧会事業の質を格段に向上させることができました。皆様には心より御礼申し上げますとともに、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。
東京藝術大学大学美術館一同